【日本語教育】「見ます/見えます」「聞きます/聞こえます」の違い・注意点

文法解説

こんにちは!日本語教師のMilkyです。

本記事をお読みいただくと、

✅ 「見ます」と「見えます」の違い、用例、注意点
✅ 「聞きます」と「聞こえます」の違い、用例、注意点

このような内容をしっかり明文化して学習者さんに説明できるようになります!👩‍🏫

日本人がなんとなく使い分けていて、ニュアンスが全然違うと感じられるのに
学習者さんに説明しようとすると、スラスラと出てこないのが現実ですよね😂

ぜひ本記事を読んで、「見ます/見えます」「聞きます/聞こえます」
の教え方をマスターしてください🙌

この記事を書いているわたしは、日本語教育学科を卒業しており、現役の日本語教師です 👩‍🏫
備忘録として書いているのですが、どなたかのお役に立てたら幸いです✨

【日本語教育】「見ます/見えます」「聞きます/聞こえます」の違い・注意点

それでは早速、使い分けのルールと注意点を見ていきましょう!

「見ます/見えます」「聞きます/聞こえます」の違い

指導者あるあるですが、パッとルールが出てこない時は
帰納法な方法でルールを導き出しましょう

今回のような場合であれば、「見ます/見えます」「聞きます/聞こえます」
それぞれの例文をひたすら考えて挙げていけば
最終的には原理原則が見えてくる
ものです。

「見ます」の例

・帰宅後、テレビを見ます。
・ダラダラとYouTubeを見る。
・綺麗な夕暮れが見たい。
・この書類、見ておいて。
・あの映画見た??

「見えます」の例

・あの看板が見えますか?
・黒板の字が小さくて見えません。
・画面共有していますが、
見えていますか?
・背が低いので遠くが見えない。

「聞きます」の例

・イヤホンで音楽を聞きます。
・先生の話を聞く。
・親の言うことを聞け。
・聞き捨てならない。
・よく聞いてから考えてください。

「聞こえます」の例

・ピアノ演奏が聞こえる。
・子供たちの声が聞こえる。
・私の声が聞こえますか?
・耳が全然聞こえない。

このように、
「見ます/聞きます」は動作の主体の意思が感じられますが、
「見えます/聞こえます」には動作の主体の意思が感じられない

と言う点で使い分けることができます。

「見えます/聞こえます」のように動作主体の意思が感じられず
知覚を表すような動詞は「知覚動詞」と呼ばれます。

注意点

上であげたような「知覚動詞」は英訳すると、

見えます … can see / can be seen
聞こえます … can hear / can be heard

のように訳すことができます。

このような場合、可能形の「見られる」「聞ける」との違い
明文化しておかなけらば、こんがらがってしまうのです。

これらも例文を上げながらルールを考えます。

・フランスへ行って本物のモナリザが見られた(○)/見えた(✖️)。
・コンサートでずっと好きだったバイオリニストの生演奏が聞けた(○)/聞こえた(✖️)。
・ネットで日本語能力試験の結果が見られる(○)/見える(✖️)。
・演説会に行けば、その人の考えていることが聞ける(○)/聞こえる(✖️)。
・富士山の頂上から最高の景色が見られる(○)/見える(○)。

このように、「見える」「聞こえる」は知覚として
機能しているかどうか
という点に着目しており、
「見られる」「聞ける」はその機会を得ることが
できるか否か
という点を重視しています。

最後に

本記事では、

✅ 「見ます」と「見えます」の違い、用例、注意点
✅ 「聞きます」と「聞こえます」の違い、用例、注意点

このような内容をしっかり明文化して学習者さんに説明できるようになることを目標としました!👩‍🏫

このサイトは日本語教師の皆様のお役に立てる情報発信を目指しています!
本記事がどなたかのお役に立てましたら幸いです💓

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