【日本語教育】「わかりません」「知りません」の違い・注意点 - にほんご Study

【日本語教育】「わかりません」「知りません」の違い・注意点

文法解説

こんにちは!日本語教師のMilkyです。

学習者さんから

✅ 「わかりません」と「知りません」はどう違いますか?
✅ 「知りません」は失礼ですか?

このような質問をされたことはありませんか??

日本人がなんとなく使い分けていて、ニュアンスが全然違うと感じられるのに
学習者さんに説明しようとすると、スラスラと出てこないのが現実ですよね😂

ぜひ本記事を読んで、「わかりません」「知りません」
の教え方をマスターしてください🙌

この記事を書いているわたしは、日本語教育学科を卒業しており、現役の日本語教師です 👩‍🏫
備忘録として書いているのですが、どなたかのお役に立てたら幸いです✨

【日本語教育】「わかりません」「知りません」の違い・注意点

「わかりません」と「知りません」の違いについて、
まずはご自身で考えてみてください👩‍🏫

例えば私であれば、外国人の方とお仕事で一緒になった際に、、、

日本人「これ、誰の書類かわかりますか?」
外国人「知りません。」

このようなやりとりがあり、
「知りません」というのはちょっと冷たい感じを与えてしまうよなぁ
と思ってしまったことがありました。

上記のような場面であれば、
「すみません/うーん、わかりません」くらいの言い方であれば
角が立たないような気がします。

でもなぜかと言われると、うまく理由が説明できず、
外国人の方にもこのニュアンスの違いを伝えることができませんでした😭

【原則】「わかる」と「知る」の違い

「わかりません」と「知りません」の違いを説明するために、
まずは「わかります」と「知っています」の違いを明言化します。

わかります

「事実、内容、意味等を理解する」というような意味です。
特に、事実がはっきりとしなかったことが明らかになるということや、
自身で考え、分析したり、因果関係を把握したりするということを表しています。
単に情報を持っているというだけでなく、
その情報を自身で理解・把握しているということです。

知っています

「物事についての情報を持っている」「知識を有している」という意味です。
これまで自身の中になかった情報を取り入れ、新しい事柄を理解できるようになったり、
未知の情報について調べたり人から聞いたりして、
そこ事柄についての情報を得るということを表しています。

つまり、

考えて理解する → わかる
新しい情報を取り入れる → 知る

というようなイメージです。

ですので、原則として、

考えて理解できない → わかりません(I don’t understand)
情報を持っていない → 知りません(I don’t know)

という違いがあります。

(例文)

・このパソコンの操作方法がわかりましたか?
→ わかりません(○)/知りません(✖️)。

・以上で説明は終わりです。ルールがわかりましたか?(○)
・以上で説明は終わりです。ルールを知っていますか?(✖️)

・この曲がわかりません。(✖️)
・この曲を知りません。(○)

【応用】ニュアンスの違い

原則があれば、常に例外があるものです。
次に、応用編として「わかりません」「知りません」のニュアンスの違いをご紹介します。

例えば、

「現在の日本の総理大臣は誰ですか?」という問いに対しては
「知りません」「わかりません」のどちらでも回答可能です。

このように、「情報を持っていない」という意味で使う場合には、
「知りません」「わかりません」の両方が使えることがあります

このような時も慌てず、まずは原則に従います

「現在の日本の総理大臣は誰ですか?」という問いに対して、
「知りません」→ 現在の日本の総理大臣が誰かという情報を持っていない
「わかりません」→現在の日本の総理大臣が誰か把握できていない
という意味になります。

そのほかに、「知りません」という表現には
「情報を持っていない」だけでなく
「興味がない」「自分には関係がない」という意味合いも含みます

(例文)

・何度も忠告しましたからね。もう知りません。(自分には関係がない)
・この服可愛いでしょう?どう思う? ー 知らない。(興味がない)
・明日は雨ですか? ー 知りません。(情報を持っていない)

このように、「知りません」は「興味がない」
「自分には関係がない」という意味合いを含む
のに対し、

「わかりません」は、「自分の理解が及ばず申し訳ない」という
ニュアンスを含める
ことができます。

つまり、

「知りません」→「興味がない」「自分には関係がない」
「わかりません」→「自分の理解が及ばず申し訳ない」

それぞれこのような含意があることがわかります。

このように、日本人は「知らない」と「わからない」を使い分けており、
日本人が質問をした際に外国人が「知らない」と返事をすると
少し失礼だと感じられる可能性があるのです。

※「〜について/を知っていますか?」等という質問に対して
「知りません」と返事をするのは全く失礼ではありませんので、ご安心ください。

最後に

本記事では、

✅ 「わかりません」と「知りません」の違い
✅ 「知りません」が失礼に当たる場合

について解説しました。

原則として、

「わかりません」→「考えても理解できない」
「知りません」→「情報を持っていない」

という意味を表します。

ただ、「わかりません」「知りません」の両方とも使えるような場合については、

「わかりません」→「自分の理解が及ばず申し訳ない」
「知りません」→「興味がない」「自分には関係がない」

というような含意の可能性もあるので、注意が必要です。

以上、参考になりましたら幸いです😇

このサイトは日本語教師の皆様のお役に立てる情報発信を目指しています!
本記事がどなたかのお役に立てましたら幸いです💓

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