国際交流基金の『日本語パートナーズ』とは?給料や条件、体験談など大公開! - にほんご Study

国際交流基金の『日本語パートナーズ』とは?給料や条件、体験談など大公開!

国際交流基金の『日本語パートナーズ』とは?給料や条件、体験談など大公開! 日本語教師になる
日本語の授業作りで悩んでいる人

日本語パートナーズについて知りたい人「日本語教育経験がないけれど、海外で日本語教師の仕事を体験してみたい…。でも、条件や待遇、環境がわからず不安…。初心者が日本語教師として働くための、具体的な方法を教えてください。」

このような疑問に答えます。

本記事の内容

・『日本語パートナーズ』という制度について詳しく解説

・『日本語パートナーズ』に参加するスタッフの待遇や応募条件、倍率

・実際に『日本語パートナーズ』に参加した方の体験談

この記事を書いているわたしは、日本語教育学科を卒業しており、現役の日本語教師です 👩‍🏫当ブログでは日本語教師向けた「ためになる」情報や時短ツールを発信しています。

日本語教師という仕事に興味がある方のお悩みで、「経験や資格がない場合、どこで日本語教師になったらいいか、わからない…」というものがあると思います。

私の友人の中にも「日本語教育には詳しくないけれど、海外でボランティアをしてみたい!」「日本語教師に興味があるけれど、いきなり資格取得はハードルが高い…」と悩んでいる人がいました…。

このような方におすすめなのが、『日本語パートナーズ』という制度です。『日本語パートナーズ』は誰でも参加可能な日本語教師ボランティアです。アジア地域の中学・高校で日本語の授業のアシスタントや日本文化の紹介をします。

今回はこの『日本語パートナーズ』について、体験談も含めて詳しく解説していこうと思います。

国際交流基金の『日本語パートナーズ』とは?給料や条件、体験談など大公開!

それでは早速、詳しく解説していきます。

日本語パートナーズとは

日本語パートナーズ | 国際交流基金 - 文化のWAプロジェクト~知り合うアジア~
日本語パートナーズ”は、ASEAN諸国の中学・高校などの日本語教師や生徒のパートナーとして、授業のアシスタントや、日本文化の紹介を行います。アジアで多くを発見・吸収し、それを周囲へ、未来へ広げる…そんな人になってみませんか?

『日本語パートナーズ』は、アジア諸国で日本語教育を学ぶ中学生・高校生へ日本語を教えるボランティア制度です。国際交流基金が実施しています。

専門的な知識や経験などは必要なく、応募要件に当てはまれば誰でも参加できます。(応募要件は後述します。)

日本語の授業で現地日本語教師のアシスタントをしたり、日本文化の紹介をしたり、授業外で生徒の日本語会話の練習相手になったりします。また、地域のイベントなどに参加し、日本の魅力を発信することも可能です。

派遣先の国や地域について

2023年の派遣先と募集人数、派遣期間は下の表の通りでした。

派遣先募集人数派遣期間
カンボジア1名8ヶ月
マレーシア10名9ヶ月
タイ30名8ヶ月
インドネシア40名5ヶ月 or 4ヶ月
ラオス4名5ヶ月
ベトナム10名5ヶ月
台湾10名4ヶ月
フィリピン10名4ヶ月
引用:日本語パートナーズ

国によって募集人数や派遣期間が異なります。また、日本語を教える機関も、小学校から大学までとさまざまです。詳しくは募集要項に記載がありますので、気になる方は公式サイトからチェックしてみてください☺️

日本語パートナーズの待遇・給料・条件

次に、日本語パートナーズの待遇や応募の条件、選考のポイントなどを解説します。

待遇・給料について

日本語パートナーズはボランティアスタッフとして現地へ派遣されます。ですので、「給料」はありません。

しかし、滞在費として月額10万円〜14万円ほどを支給してもらえます。※国や地域によって金額が異なります。

日本語パートナーズスタッフに支給されるものは、以下の通りです。

・滞在費として月額10万円〜14万円
・現地での住居
・往復航空券
・旅費等
・海外旅行保険
・渡航前の予防接種費用の一部補助

日本語パートナーズに参加した場合、生活費全般(食費、日用品、衣料、水道光熱費、通信費)を負担しなければなりません。滞在費はこれらの費用にあてることができます。

応募条件について

日本語パートナーズの基本的な応募条件は、以下の3点です。

・満20歳から満69歳で日本国籍を有する方
・日常レベルの英会話ができる方
・派遣前研修(約4週間)に全日程参加できる方

この他にも「基本的なパソコン操作ができること」「渡航前に新型コロナウイルスワクチンを接種すること」などの細かい条件がある場合もあります。

詳しくは募集要項に記載がありますので、気になる方はチェックしてみてください☺️

青年海外協力隊の日本語教師に応募する場合、

・大学または大学院の日本語教育主専攻・副専攻などの修了
・日本語教育能力検定試験合格
・420時間程度の日本語教師養成講座(通信講座を含む)の修了

のいずれかが必須条件になります。

これは日本語学校に日本語教師として就職する際の必要資格と同じで、少しハードルが高く感じられます。

一方、日本語パートナーズにはこのような資格などが不要ですので、誰でも日本語教師として海外へ行くことができます。

このハードルの低さが何よりも魅力です。「日本語教師に興味があるけれど、自信がない」「海外で日本語を教えてみたいけれど、経験や知識がない」という方にぴったりです!

倍率・選考について

日本語パートナーズの倍率は5.2〜5.4倍。年間500名以上のボランティアスタッフが派遣されています。

選考のスケジュールは以下の図の通りです。

ウェブサイトにて仮登録

ウェブサイトにて本登録

書類の提出

一次選考(書類)

二次選考(面接)

内定

派遣前研修

渡航

一次選考は書類審査です。ここでは、日本語パートナーズ事業に対する理解度や熱意が評価されます。提出書類は、応募用紙、学歴の証明書、推薦状などです。

推薦状は、学生の場合はゼミの指導教官に書いてもらうのがおすすめです。社会人の場合は、勤務先の関係者や所属団体の代表者などに記入を依頼しましょう。

二次選考は面接です。ここでは、派遣先への関心や、現地での生活力、現地の方と協働できるかといった点が確認されます。

また、一次選考を通過した方のみ健康診断を受診し、結果を提出する必要があります。健康体であることは大事なポイントになりますので、体調を整えて臨みましょう。

派遣前研修(約4週間)について

派遣前研修では、

・現地での生活や活動に必要な現地語の学習
・日本語教師アシスタントのやり方

などを学ぶことができます。

研修は合宿形式で実施されます。また、欠席は認められませんので、注意してください。

研修期間中は
・自宅から研修施設までの往復旅費
・宿泊施設
・食事
が国際交流基金より提供されます。

日本語パートナーズの体験談

最後に、実際に日本語パートナーズに参加された方の体験談をいくつかご紹介します。興味のある方はぜひ参考になさってください。

シンガポールに派遣された高橋さん

日本語パートナーズのウェブサイトで、様々な国に派遣された方・派遣中の方の書いた体験談を読むことができます。現地での興味深い活動や授業の振り返り、生活に関することなど、様々な記事がありますので、ぜひお読みください!

企業とナンヤン・ポリテクニックによるMake-a-thon (メイカソン) ~Win-winプロジェクトに参加し、企業と学生の情熱を感じる~ | 今月の日本語パートナーズ | 日本語パートナーズ
私の派遣校であるNYP(ナンヤン・ポリテクニック)にはMakers Node とMakerSpaceという場所があります。Makers Nodeにはミシンから3Dプリンター、扱うのが難しい大きな機械な

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こちらのnoteでは、2018年にタイの学校へ派遣されたYuhさんの体験談を読むことができます。リアルなタイの風景や1日のスケジュールなど詳しく書いてくれているので、大変参考になります!

資格も経験も必要なし!?海外で日本語教師&国際交流を体験できる"日本語パートナーズ"の魅力!!|Yuh
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インドネシアにはたくさんの“日本好き”がいた!今回は、インドネシアにて現地の子供たちに日本語を教えられている、安部さんにお話しを伺いました。自己紹介をお願いします 北九州市立大学文学部比較文化学科の安部かりんです。

現地からの評価

最後に、現地からの評価を紹介します。こちらは、国際交流基金の公開している報告書から引用しました。

日本語パートナーズ派遣事業に対して現地からは、
・学生の日本語学習意欲向上
・現地日本語教師の日本語能力向上
・日本文化への関心増大

などにつながったと、非常に高い評価を得ています。

また、2019年にはタイの教育大臣から感謝状が届けられていたり、インドネシア教育大臣からも感謝の言葉が送られていたり、しています。

(引用:業務実績等報告書

実施側のエゴで終わってしまうボランティアも多い中、日本語パートナーズ事業では現地の需要に即した、役に立つ日本語教育ができているようです。日本人として、とても誇らしいですね。

最後に

というわけで、本記事では、

・『日本語パートナーズ』という制度について詳しく解説

・日本語パートナーズ』に参加するスタッフの待遇や応募条件、倍率

・実際に『日本語パートナーズ』に参加した方の体験談

このような内容を解説していきました。本記事にご興味をお持ちいただけたら、ぜひ他の記事もご覧ください。

本気で日本語教師を目指すなら、養成講座の受講がおすすめ

本記事では、誰でも海外で日本語教師になれる、日本語パートナーズを紹介しました。しかし、ここではやはりボランティアスタッフ止まりです。

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