「らしい」「ようだ」「そうだ」「だろう」「かもしれない」の違い・注意点

文法解説

こんにちは!日本語教師のMilkyです。

学習者さんから

「らしいです」「ようです」「そうです」「でしょう」「かもしれません」
全部同じ意味ですか?ちがいがわかりません😂

このような質問をされたことはありませんか??

日本人がなんとなく使い分けていて、ニュアンスが全然違うと感じられるのに
学習者さんに説明しようとすると、スラスラと出てこない
のが現実ですよね😂

ぜひ本記事を読んで、「らしい」「ようだ」「そうだ」「だろう」「かもしれない」の違いをマスターし、学習者さんに分かりやすく教えてあげられるようになってください🙌

この記事を書いているわたしは、日本語教育学科を卒業しており、現役の日本語教師です 👩‍🏫
どなたかのお役に立てたら幸いです✨

「らしい」「ようだ」「そうだ」「だろう」「かもしれない」の違い・注意点

まず、簡単な早見表を作成したので、スクリーンショットタイムです!

らしいです根拠(伝聞・見たことなど)をもとにした推量。主観弱め。
ようです根拠(伝聞・見たことなど)をもとにした推量。主観強め。
そうです① 外部から知った情報(聞いた話、ニュースなどの情報)の伝聞。
② 直後に自然と起こり得ることに対する予想。
でしょう不確かな推量。話しての自信がない。
かもしれない事実かどうかわからないことに関する、話し手の想像・推測。

いずれもN4レベルの文型です。
「初級レベルでこんなに複雑なのか😭」と
学習者も教師も困ってしまうポイントの1つかと思います。
初級文法の壁を一緒に乗り越えましょう!!

今回の参考文献はこちらです。
学生からのあるあるな質問や、初級レベルの類似文法の解説方法について詳しく書かれています。このような文型辞典は、日本語教師なら1冊は手元に置いておきたい本です。

それでは、一つずつ詳しく解説します。

らしいです

意味根拠(伝聞・見たことなど)をもとにした推量
文型普通形+らしいです
注意点「らしいです」の前に「な形容詞」または「名詞」が置かれる場合、
な形容詞 +らしいです
名詞 + らしいです

の形になるので、注意。
他との比較「らしいです」には、話し手が断定しにくいことについて、客観的な証拠や伝聞したことから推測するという意味があります。他の文法に比べて、「話し手の主観が弱い」印象があります。

【例文】

・カナダはとても暮らしやすい国らしい。(伝聞・推測)
・最近このキャラクターが人気らしいですよ。(伝聞・推測)
・キムさんは来月中国へ帰国するらしいよ。(伝聞)
・彼はどうして泣いているのでしょうか。 – 恋人にふられたらしいですよ。(伝聞)
・日本へ行ったせんぱいによると、日本の生活はしずからしい。(伝聞)

ようです

意味根拠(伝聞・見たことなど)をもとにした推量
文型普通形+ようです
注意点「ようです」の前に「な形容詞」または「名詞」が置かれる場合、
な形容詞な +ようです
名詞の + ようです

の形になるので、注意。
他との比較「ようです」には、「話し手が何かを知覚して想像した、主観的な推測」という意味があります。他の文法に比べて、「話し手の主観が強い」印象です。

【例文】

・田中さんは今日体調が悪いようだ。(視覚 + 推測)
・変なにおいがする。何かがこげているようだ。(嗅覚 + 推測)
・今日はとても静かです。おとなりさんは出かけているようです。(聴覚 + 推測)
・この料理はおかしい味がします。くさっているようですね。(味覚 + 推測)

そうです

意味① 外部から知った情報(聞いた話、ニュースなどの情報)が、未知であったことを表す
② 直後に自然と起こり得ることに対する予想
文型① 普通形 + そうです
② Vます形 + そうです
注意点接続によって意味が変わるので要注意です。
他との比較①の「そうです」は外部から知った情報(聞いた話、ニュースなどの情報)が、未知であったことを表します。主観的な推量という意味はかなり弱く「単に聞いた/知ったことを伝えているだけ」という印象が強いです。

②の「そうです」は「直後に自然と起こり得ることに対する予想」という意味があります。自然と起こることに使われることが多いですので、無意志動詞が使われることが多いです。

【①の例文】

・現地の人によると、この虫は食べられるそうです。(伝聞)
・明日は晴れるそうですよ。(伝聞)
・最近このアイドルが人気だそうです。(伝聞)

【②の例文】

・あの人は虫を食べそうです。(直後に起こり得る予想)
・雲が多いですね。雨が降りそうです。(直後に起こり得る予想)
・あ、危ないですよ。ぶつかりそうです。(直後に起こり得る予想)

でしょう

意味不確かな推量
文型普通形 + でしょう
注意点「でしょう」の普通形は「だろう」です。
また、「たぶん」「おそらく」「きっと」などの副詞と同時に使われることが多いです。
他との比較「でしょう」には、「話し手の自信がない / 情報が不確かなため、断定できない推量」という意味があります。

【例文】

・たぶんこのデータが1番正しいだろう。(自信のない推量)
・来年はきっと試験に合格できるでしょう。(自信のない推量)
・今年の冬は寒くなるでしょう。(不確かな推量)
・昨日の試合は誰が勝ちましたか? 知りませんが、きっとAチームでしょうね。(不確かな推量)

かもしれません

意味事実かどうかわからないことに関する、話し手の想像・推測
文型普通形 + かもしれません
注意点「かもしれません」の前に「な形容詞」または「名詞」が置かれる場合、
な形容詞 +かもしれません
名詞 +
かもしれません
の形になるので、注意。
他との比較「かもしれません」には、「未知のことについて、話し手が主観的に推量している」という意味があります。最も話し手の主観が強い印象です。

【例文】

・田中さんは私のことが好きかもしれません。
・この宝くじが当たって、お金持ちになれるかもしれません。
・今日の面接はうまくできないかもしれません。
・明日は雪が降るかもしれません。

最後に

本記事では、

「らしい」「ようだ」「そうだ」「だろう」「かもしれない」の違い・注意点

をご紹介しました。

以上、参考になりましたら幸いです😇

このサイトは日本語教師の皆様のお役に立てる情報発信を目指しています!
本記事がどなたかのお役に立てましたら幸いです💓

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