【日本語教育】「何か」「何も」「何でも」の違い・注意点・例文

文法解説

こんにちは!日本語教師のMilkyです。

学習者さんから

✅「何か」「何も」「何でも」が覚えられません。
✅「何か」「何も」「何でも」はどうちがいますか?

このような質問をされたことはありませんか??

日本人がなんとなく使い分けていて、ニュアンスが全然違うと感じられるのに
学習者さんに説明しようとすると、スラスラと出てこないのが現実ですよね😂

ぜひ本記事を読んで、「何か」「何も」「何でも」
の教え方をマスターしてください🙌

この記事を書いているわたしは、日本語教育学科を卒業しており、現役の日本語教師です 👩‍🏫
どなたかのお役に立てたら幸いです✨

【日本語教育】「何か」「何も」「何でも」の違い・注意点・例文

それでは早速、「何か」「何も」「何でも」の意味や使い方、注意点を紹介します。

どちらもN5、N4レベルの文型です。
「初級レベルなのにややこしい😭」と
学習者も教師も困ってしまうポイントの1つかと思います。
初級文法の壁を一緒に乗り越えましょう!!

今回の参考文献は特にありませんが、初級のおすすめ文法書を紹介します!
学習者からのよくある質問やよくある間違い、解説が詳しく記載されています。
このような文法書は、日本語教師なら1冊は手元に置いておきたい本です。

何か

【読み】なにか、なんか

「何か」には意味が3つあります。それぞれの意味と例文は以下の通りです。

①内容が明確ではないもの, something

【意味】内容が明確ではないものを表します。

【例文】

何か食べるものをください。
何か欲しいものはありませんか?
チョコレートか何か、甘いものが欲しいです。

*感情や願望を表すときに使われることが多いです。

②明確な理由がないが、感情が起きる

【意味】明確な理由がなく、感情が起きることを表します。

【例文】

この部屋は何か気味が悪いですね。
今日は何か調子がいい。
田中さんは何か具合が悪そうだ。

*「何だか」「なんか」という形で使われることが多いです。

③怒りの感情・非難のニュアンス

【意味】怒りの感情や非難のニュアンスを表します。

【例文】

何か。私が間違っていると言いたいのか?
あの学生は何か。態度が大変悪いじゃないか。
その謝罪は何か。謝る気があるのか。

*学生が使う場面はほとんどないので、教えなくてもいい項目です。
教える場合は、「普段の生活で使わないように」と指導しましょう。

何も

【読み】なにも、なんも

「何も」には意味が2つあります。それぞれの意味と例文は以下の通りです。

①何もない, nothing

【意味】何も〜(否定)の形で、全否定を表します。

【例文】

何か欲しいものはない? ー 何もいらないよ。
必要なものは何もありません。
うちには食べるものが何もない。

*「何も〜ない」の形で覚えさせると良いです。

②必要ない

【意味】「必要ない」「そこまでしなくても良い」という意味を表します。

【例文】

何もそこまで謝らなくてもいいですよ。
何も警察に通報するほどのことじゃないだろう。
何も、今さら辞めることはないですよ。

*初級レベルで指導する必要はありません。

何でも

【読み】なんでも

「何でも」には意味が2つあります。それぞれの意味と例文は以下の通りです。

①全部, anything

【意味】「どんなものでも」「全て」という意味を表します。

【例文】

お腹が空いているので、何でも食べます。
あなたのためなら、何でもできます!
きれいなものなら何でも欲しいです。

②大したことはない

【意味】「大丈夫だ」「大したことはない」という意味を表します。

【例文】

このくらいのキズ、何でもないよ。
田中さん、どうかしましたか? ー 何でもないです。
顔色が悪いですが、大丈夫ですか? ー はい、何でもないので、気にしないでください。

*常に「何でもない」という形を使います。
そのため、「何にも〜ない」と混同しやすいので注意してください。

最後に

本記事では、

「何か」「何も」「何でも」の違い・注意点・例文

をご紹介しました。

以上、参考になりましたら幸いです😇

このサイトは日本語教師の皆様のお役に立てる情報発信を目指しています!
本記事がどなたかのお役に立てましたら幸いです💓

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