【授業】日本語の授業の教案(授業案)の作り方、テンプレート配布

役立つ知識

こんにちは!日本語教師のMilkyです。

本記事は、

✅ 日本語の授業の進め方を知りたい。
✅ 日本語の授業の教案(授業案)のテンプレートが欲しい。

このような方向けの内容になっています。

私が実際に使っていた教案(授業案)も例として挙げているので、ぜひご活用ください💓

この記事を書いているわたしは、日本語教育学科を卒業しており、現役の日本語教師です 👩‍🏫日本語教師を志している方、日本語教師として活動中の方のお役に立てましたら幸いです✨

【授業】日本語の授業の教案(授業案)の作り方、テンプレート配布

それではまず、日本語の授業の基本的な構成・流れをご紹介します。

日本語の授業の構成・流れ

日本語の授業の構成・流れは基本的に
「導入→メインコンテンツ→まとめ」という形になります。

時間配分としては、

導入 15%
メインコンテンツ 75%
まとめ 10%

が目安です。

 導入

導入で行うことは、「ウォーミングアップ」と、「メインコンテンツへの誘導」の2点です。

まずは、学習者さんの脳内を日本語学習モードに切り替えるためにウォーミングアップを行います。具体的には、前回の授業の復習、簡単な会話練習、最近学習した単語のチェック等が良いでしょう。

前回の授業の復習
・「前回 / 昨日 / 先週 の授業では何を勉強しましたか?」と質問を投げる。
・前回勉強した文法を使った質問をする。
・前回勉強したページの音読をする。

簡単な会話練習
・「昨日、何をしましたか?」
・「朝ごはん / 昼ごはんは何を食べましたか?」
・「週末は何をしましたか? / 何をする予定ですか?」

最近学習した単語のチェック等
・単語のフラッシュカード

ウォーミングアップで場が温まってきたら、メインコンテンツへの誘導を行います。文法の授業であれば、その日勉強する文法を使いたくなるような場面を提示し、「このような状況なら、なんと言いますか?」と質問を投げかけます。場面設定が難しければ、単に「今日は xxx という文法を勉強します。〜〜という意味です。」と提示するだけでも構いません。読解や聴解の授業であれば、読解のコンテンツや聴解のスクリプトに関わるような話題の会話をしてみたり、その話題に関する既習の単語をできるだけ多く出していくようなゲームをするのもおすすめです。

例えば、「ながら」という文法がメインコンテンツの場合 …

下図のような絵を提示しながら

教師「あの方は何をしていますか?」
学生「食べています」「テレビを見ています」
教師「そうですね。」
教師(「食べています+テレビを見ています」と板書。)
教師「なんと言いますか?」
学生「・・・」

このような場面設定を行い、「ながら」という文法説明にスムーズに入れる雰囲気を作ります。

環境問題に関する内容の読解教材がメインコンテンツの場合…

下図のような写真を提示しながら
教師「これはなんですか?」(写真を指しながら)
学生「ゴミです」「暑いです」「風でエネルギーを作ります」「リサイクルです」等々…。
教師「そうですね。じゃあ、これは?」(写真の細かい部分を指しながら)
学生「それはコップです」「草です」「太陽です」「山です」etc…
教師「そうですね。色々な言葉を知っていますね。この写真のテーマはなんでしょうか?」
というように、テーマに関連する写真や絵を見せながら話を膨らませるのが簡単でわかりやすいです。

 メインコンテンツ

導入がひと段落ついたら、メインコンテンツに入ります。メインコンテンツでは、しっかり時間をとって、その授業で最も教えたい内容を詳しく説明したり、学習者さんに練習させたりします。文法の授業であれば、文型と意味の説明→基本練習→応用練習という流れになります。練習方法には、「反復練習」「代入練習」「変形練習」「完成練習」「拡大練習」「結合練習」「応答練習」などがあります。詳しくは後述します。読解や聴解の授業であれば、問題を解いて→答え合わせ→音読や細かい部分の解説、という構成です。

「ながら」という文法を教えたい場合…

文型と意味の説明
まずは、「ながら」という文法の意味と、文型を説明します。
教師「2つの動きを同時に行うとき、『ながら』という文法を使います。」
教師(「Vます形 + ながら + V」と板書。必要に応じて学習者さんの母国語での説明。)

基本練習
文法の意味と形を紹介し終えたら、まずは形を覚える練習を行います。練習方法には様々なものがあるので、必要に応じて適切な練習方法を使い分けてみてください。

反復練習(繰り返し)
教師「食べながら、テレビを見ます。」
学生「食べながら、テレビを見ます。」
教師「音楽を聞きながら、勉強します。」
学生「音楽を聞きながら、勉強します。」

代入練習(言葉の入れ替え)
教師「食べながら、テレビを見ます。」(「飲みます」という言葉を提示)
学生「飲みながら、テレビを見ます。」
教師「音楽を聞きながら、勉強します。」(「テレビを見ます」という言葉を提示)
学生「テレビを見ながら、勉強します。」

変形練習(動詞の変換)
教師「食べます」「テレビを見ます」
学生「食べながら、テレビを見ます。」
教師「音楽を聞きます、勉強します。」
学生「音楽を聞きながら、勉強します。」

完成練習(未完成文を提示し、答えさせる)
教師「食べながら、、、」(「テレビを見ます」という言葉を提示)
学生「食べながら、テレビを見ます。」
教師「、、、勉強します。」(「音楽を聞きます」という言葉を提示)
学生「音楽を聞きながら、勉強します。」

拡大練習(教師の提示した単語を付け加えて、文を長くさせる)
教師「食べます」
学生「食べます」
教師「テレビを見ます」
学生「食べながら、テレビを見ます。」
教師「ばんごはん」
学生「ばんごはんを食べながら、テレビを見ます。」

結合練習(複数の文を1つにさせる)
教師「あさごはんを食べます、学校へ行きます。」
学生「朝ごはんを食べてから、学校へ行きます。」
教師「田中先生はきれいです。親切です。」
学生「田中先生はきれいで、親切です。」
*「ながら」でいい例がなかったもので、他の文法を使いました😅

応答練習(応答させる)
教師「食べながら、何をしますか。」
学生「食べながら、テレビを見ます。」
教師「何をしながら、勉強しますか。」
学生「音楽を聞きながら、勉強します。」

応用練習
基本練習で形を覚えられたら、次に応用練習を行います。応用練習では、練習問題を解いたり、これまでに学習した文法とその日に勉強した文法を混ぜながら使った応答練習をしたりします。いくつか質問例をあげて、学習者さん同士で会話練習をさせるのも良いです。

「ながら」という文法を勉強した日であれば…

・「〜ながら、自転車を運転してはいけません」
のような文をいくつか提示し、学習者さんに作文させる。
・「ながら」の文法が使えるような場面のイラストを見せて、
学習者さんに作文させる。

 まとめ

授業の最後には必ずその日のまとめの時間を取りましょう。実際の授業では1コマで複数の文法項目を取り扱うこともあり、前半の授業内容をすっかり忘れてしまっている学習者さんもいます。その日に学習した内容をさらっとおさらいしましょう。

日本語の授業の教案(授業案)のテンプレート配布

最後に、私が実際に授業で使用した教案(授業案)のテンプレートを配布します。Wordファイルでダウンロードが可能なので、ぜひご自由にご利用ください😇

https://note.com/milky_nihongo/n/n233f9d4d777c

最後に

本記事では、

・日本語の授業の進め方を知りたい
・日本語の授業の教案(授業案)のテンプレートが欲しい

という方向けに、日本語授業構成のご紹介、私が作成し実際に使用した教案(授業案)のテンプレートの配布、を行いました。日本語教師の皆様のお役に立てましたら幸いです✨

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